2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の文章産出におけるパラフトーズに関する研究
Project/Area Number |
19520442
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鎌田 美千子 Utsunomiya University, 留学生センター, 准教授 (40372346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 喜久子 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (40198479)
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Keywords | 日本語教育 / 第2言語としてのライティング / アカデミック・ライティング / パラフレーズ / 言い換え |
Research Abstract |
本研究では、資料を活用して内容をまとめる際のパラフレーズ(言い換え)に焦点を当て、日本語学習者がどのようにパラフレーズを達成しているのか、また達成できていないのかを実証的に明らかにすることを目的とするものである。19年度は、分析資料の収集・整理を行うとともに、以下の二つの研究課題を追究した。 第一に、箇条書きにおけるパラフレーズに着目し、日本の大学で学ぶ中国人学部留学生と日本人大学生を対象にしたパラフレーズ調査を行った。そして、留学生は日本人大学生に比べ、原文からの抜き出しに偏る傾向を明らかにした。この結果は、文章産出研究で指摘されている未熟な書き手の特徴と一致し、第二言語による言語運用上の難しさが関係していることが示唆された。さらに、アカデミック・ライティング教育の観点からプレゼンテーション文書作成教育学習支援のあり方の検討を加え、2007年8月にハワイ大学カピオラニカレッジで開催されたThe Fourth International Conferenceo on Computer Assisted Systems for Teaching and Learning Japaneseにおいて発表するとともに、論文にまとめた(『外国文学』57号)。 第二に、上記の結果をふまえ、留学生に見られた原文からの抜き出し傾向が文章の難易度に関係があるかどうかについて、難易度が異なる二種の文章をもとに分析考察した。その結果、文章の難易度に関わらず、原文からの抜き出し傾向にあることが明らかになった。更に、中国人日本語学習者は漢字に頼った読み方をするといった先行研究の指摘に基づいて、中国人日本語学習者と非中国人日本語学習者の二群に分けて比較分析したが、有意な差は認められなかった。これらの研究成果は、2008年3月に東京大学で開催された言語処理学会第14回年次大会ワークショップにおいて発表した(20年度に関連学会誌へ投稿予定)。
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Research Products
(3 results)