2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本語習得にともなう留学生の脳機能変化の検証-脳磁図技法による経年的追跡研究
Project/Area Number |
19520446
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大北 葉子 Tokyo Medical and Dental University, 留学生センター, 准教授 (10361726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克也 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (20251514)
松島 英介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (50242186)
佐々木 嘉則 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 准教授 (00334558)
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Keywords | 日本語学習 / 漢字認知 / 脳磁図 / 脳波 |
Research Abstract |
非漢字圏日本語学習者および日本人を対象に漢字、アラビア語を刺激として脳磁図を測定予定であったが、脳磁図計が平成19年11月から平成20年2月まで故障していたため予定通りに測定できなかった。脳磁図計は故障、さらにノイズが多いので、脳波計と事象電位測定ソフトを購入して同じ実験デザインで事象電位測定準備(刺激呈示ソフトと脳波測定/解析ソフトを連動化)を進めている。平成20年3月から脳磁図計が使用可能となったので、平成20年2月に測定予定だったものを平成20年4月に測定する予定である。昨年度までの研究結果で初級日本語学習者で漢字の定着が脳科学的に確認できるのは学習後1年半であることがわかっているめで、平成20年4月に測定できれば平成22年2月まで追跡調査すれば初期の漢字定着についての経年的調査は可能であると考えられる。平成20年度には脳磁図および脳波でも測定を予定している。昨年度のデータを詳細に分析した結果、昨年度まで注目していた字形の詳細な分析を反映するMl70(刺激呈示後150-200ミリ秒付近の反応)のほか、M100(刺激呈示後90-110ミリ秒付近の反応)が重要であることが分かった。M100は顔の認知では視覚刺激が顔か顔でないかを判断していると考えられている。Ml00が観察された被験者ではM100が小さいとM170が大きいという傾向が見られた。これはM100の段階で文字様視覚刺激に対して何らかの判断をしているとも考えられるが、ある被験者ではハングル文字のM100がほかに比べて小さかったが、別の被験者では絵フォントが、別の被験者では誤漢字が低かった。これはM100の判断基準が親密度、文字性、有意味/無意味、など被験者個人の判断基準によるきわめて個人差のある可能性を示唆している。平成20年度からはMl70だけではなくM100とMl70の関連を分析対象とする予定である。
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Research Products
(3 results)