2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520463
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
木下 直子 Meikai University, 総合教育センター, 講師 (40364715)
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Keywords | 日本語特殊拍 / モーラ拍リズム / 音声習得 / 日本語学習者 / 知覚と生成 / 長音 / 促音 / 撥音 |
Research Abstract |
日本語のリズムは仮名1文字を1単位とするモーラ拍リズムと言われている。強勢拍リズムや章節拍リズムを母語に持つ多くの日本語学習者にとって,日本語のリズム,特に特殊拍(長音・促音・撥音)は,知覚・生成ともに難しく,「来てください」が「切ってください」になったり,「聞いてください」になったりする。このような特殊拍の脱落や挿入は意味の誤解を招くため,日本語教育において拍感覚の養成は大きな課題となっている。 第二言語教育において学習効果のある指導を行うためには,学習者の自然習得順序に沿って提示する必要性があると指摘されており(Pienemann 1995),これまでに特殊拍の習得研究が多く行われてきたが,知覚調査と生成調査の両側面から行われたものは管見の限りない。効果的なリズム教育を行う基盤づくりとして,学習者の習得プロセスを明らかにすることが急務である。 本研究の目的は,日本語学習者が日本語特殊拍(長音・促音・撥音)のリズムをどのように知覚・生成しているかを縦断的に調査し,その習得プロセスを解明することである。 具体的には次の通りである。 1.リズム習得プロセスの解明(知覚・生成), 2.母語のリズムからの検証(母語転移の影響), 3.日本語特殊拍の知覚と生成の関係, 4.第二言語としてのリズム計測法の検討, 5.環境要因・個人要因が及ぼす習得度への影響。 この研究成果は日本語教育の分野にとどまらず,第二言語教育全般に広く応用できるものと思われる。
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