2009 Fiscal Year Annual Research Report
タスク・シラバスによるコンテント・ベース教育の教育効果の検証と実践モデルの開発
Project/Area Number |
19520469
|
Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
山本 富美子 Musashino University, 文学部, 教授 (50283049)
|
Keywords | アカデミック・ジャパニーズ / コンテント・ベース教育 / タスク・シラバス / 教師ビリーフ / 学習者による評価 / 学習者による評価 / 課題発見・解決能力 / 論理的・批判的思考力 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、以下2点の追加調査を実施した。現在、その結果の下に本研究課題の最終目標である「タスク・シラバスによるコンテント・ベース教育」の指導法と実践モデルを開発している。 1.「タスク・シラバスによるコンテント・ベース教育」に対する学習者の評価の分析 当該の教育方法で行った授業に対して学生が高く評価した点をまとめると、次のとおりである。 従来の文型練習やロールプレイは、与えられた課題を授業の中でこなすだけなので、それが現実場面で役に立つとは思えなかった。それは、テストのだめの練習だと思っていた。しかし、この授業方法は、実際に自分であるいはチームで文献やデータを調べたり、調査をして自分なりの分析をし、一定の書式でレジュメや報告書を書き、それに基づき発表、討論をした。しかもそれが評価につながっているので、テストのための暗記練習とは違って、実際に社会に出て役に立つのではないかと思った。実践を通して、難しい語彙・表現に対する抵抗感も減り、皆の前で発表することにも慣れた。 2.教師の言語観と教育方法との関連について 今なお、従来の「言語構造的知識教育」の言語観の下に中・上級段階でも文法・文型練習を重視し、言語知識、内容的知識を問うテストで正解率の高い学習者を高く評価する教師が大半を占めている。タスク型のコンテント・ベース教育に対しては、文法が身につかないという不信感を強く持っている。しかし、昨年度の報告書に示したように、「タスク・シラバスによるコンテント・ベース教育」は「言語構造的知識教育」に比べて4技能の総合的教育効果は高く、4技能の下位項目である文法力・語彙力も高く評価される。教師ビリーフと教育方法の転換を促す指導法と実践モデルの提示が急務である。
|