2008 Fiscal Year Annual Research Report
大学の異文化教育における基本概念の定義比較一日・米・独の場合
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19520472
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
KRAUSEONO MARGIT Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (70400059)
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Keywords | 異文化 / 文化 / コミュニケーション |
Research Abstract |
2008年度は、前年度に実施数の少なかった日本人教員の面接を4名分追加し、日・米・独の全教員に実施したインタビューのテープ起こしを終えた後、「文化」、「コミュニケーション」、「インターカルチュラル」という用語に関し、それがどのような意味で用いられているのかそのコンセプトの分析を行い、そこで得られた結果およびそこから導き出された見解を大規模な国際会議(SIETAR Global 2008(スペイン)グラナダ、プロシーディングを提出)および国内会議(異文化教育研究所(JII)、異文化コミュニケーション学会(SIETAR JAPAN))において発表した。 分析の結果、注目すべき相違点が幾つか明らかとなったが、一例を紹介すれば、「異文化コミュニケーション」の「異文化」という用語("intercultural"、"interkulturell"という言葉は、本来「文化間」あるいは「間文化」を意味する)は、インタビューを実施した多くのドイツ人教員やある程度の数のアメリカ人教員が、「新しいもの」とか「ハイブリッド月、「一時的なもの」と見ているのに対し、日本人教員の場合は半数前後が「他の文化」あるいは「外国文化」とのみ捉えていて、本来、それと対になるべき「自らの文化」という視点が抜け落ちているのである。 それゆえ「異文化コミュニケーション」分野における日本人教員の「インターカルチュラル」という用語の解釈は、教員の側からの知識伝達と学生の側のその受容というあり方に大きな影響を及ぼしていることを強く示唆している。 学生へのアンケートの回収は、日本とアメリカに関しては少し時間を要し、最終的に回収を終えたのは2009年の2月となった。全アンケートのデータ化と分類は2008年度中に終了した。教員と学生とのデータ比較並びに全体の分析・評価は2009年度中に終え、学会で発表する予定である。
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Research Products
(1 results)