2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習へのプラスの波及効果を生む実用的スピーキングテストの研究・開発
Project/Area Number |
19520477
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平井 明代 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00312786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 利恵 常盤大学, 国際学部, 講師 (70433571)
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Keywords | スピーキングテスト / 評価 / ストリー・リテリング / 受容能力 / テスト作成 / 発話量 / 発信能力 |
Research Abstract |
本研究は、実用性のあるスピーキングテストの研究・開発を目的とし、発信能力だけでなく受容能力への指導および学習にプラスの波及効果を生むテスト形式として、読んだ内容を話す方式のストーリー・リテリング・スピーキングテスト(Story Retelling Speaking Test)とその評価方法の開発をめざす。初年度である19年度の目標は、初級レベルのスピーキングテストの開発に向けて、リテリング用のリーディングテキストの最適な長さを決定し、テスト作成に役立てる情報を得ること、そして、そのテストの妥当性を検証することであった。 まず、過去の文献から、テキストを読んでから記憶の負担なく、その内容を再生できる長さの見当を行うため、150語と100語のテキストを2つずつ、実験用に集めた。次に、そのテキストをスピーキングテスト形式にし、約60名の学生に予備実験を行ない、全員の発話をテープに録音した。その後その発話を書き起こし、発話量を調べた。その結果、必ずしも100語と150語の長さによって発話量が異なるのではなく、どちらも記憶の負担はないように思われた。テスト終了後のアンケート調査によると、第1要因としてテキストの内容、第2要因としてテキストの長さが、再生のしやすさに影響しているようであった。よって、初級者レベル用として、100語から150語の長さのテキストを使用することができることがわかった。また、アンケート分析から、受験者は、ストーリーを読んで話す形式のテストで、スピーキング能力が測定されていると知覚しており、かつ、学習上役立つテストであると回答していた。これは、テストの妥当性およびプラスの波及効果を示すものであり、今後のテストの作成と改良に重要な見地を得ることができた。
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Research Products
(3 results)