2010 Fiscal Year Annual Research Report
学習へのプラスの波及効果を生む実用的スピーキングテストの研究・開発
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19520477
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平井 明代 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00312786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 利恵 常磐大学, 国際学部, 講師 (70433571)
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Keywords | スピーキングテスト / ストーリーリテリング / 実用性 / 信頼性 / EBB尺度 / 併存的妥当性 |
Research Abstract |
本研究は、実用性のあるスピーキングテストの開発とその評価方法の確立を目的としている。平成22年度は4年目であり最後の年に当たり、ストーリー・リテリング・スピーキングテスト(SRST)の併存的妥当性の検証として、日本でもよく知られ、利用されているヴァーサント・スピーキングテスト(Versant)およびSSTと比較する研究を行った。その手順として、まず、改良したSRSTおよびEBB評価を使用して、64名の参加者に受験してもらい、同時期にVersantおよびSSTも受験してもらった。その後、3つのテスト結果を比較するため、得点だけでなく、20名の受験者の発話を書き起こし、それぞれのテストにおける発話の特徴を調査した。 分析の結果、3つのスピーキングテストは比較的高い相関を示し、共通してスピーキング能力を測っていることがわかり、併存的妥当性を証明することができた。3つのテストの残りの分散はそれぞれ固有に異なる能力を測っており、Versantでは電話やインターネソトによる受験であるため、即答できる能力を、対面式のSSTでは比較的複雑な発話を促し、コミュニケーション能力を測定していた。SRSTにおいては、読んだテキストを話すため、比較的長い発話を促していた。また、SRSTは低いレベルの受験者の能力もよく弁別しており、低いレベルの学生がいるクラスでの使用に対応できることがわかった。 この結果により、それぞれの目的やレベルに応じてスピーキングテストを選ぶ必要があると言える。また、SRSTのクラスでの利用可能性を解明することに成功した意義は大きく、これで、開発に向けての妥当性および信頼性を確立することができたと言える。その検証した結果を、論文にまとめ海外のレフリー付きの国際ジャーナル(RELC Journal)に投稿した。また、成果を今年6月の国際言語テスト学会(LTRC)で発表することになっている。
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Research Products
(4 results)