Research Abstract |
本研究の主な目的は,有効な学習教材として効果が期待されながら,具体的な活用事例かこれまでほとんどなかったコーパスを利用したデータ駆動型の英語指導を実践し,その教育効果を検証することであった。具体的には,1)日英パラレルコーパスを利用した指導法の提案と教材の開発,2)開発した教材の指導実践と学習効果の測定,3)コーパス検索サイトの開設等によるコーパス利用の推進である。平成20年度の実績は以下のとおりである。 実施した事項のうち,研究目的1)については,平成19年度の実践結果で判明した問題点を改良した名詞句構造と動詞句構造を重点的に学習する教材を作成し,一般英語授業において通年の,コーパス利用学習を組み込んだ英語指導実践を行った。さらに,データ駆動型学習によって習得した知識を発表活動につなげる発展的試みとして,「英会話」の授業と連動させる科目横断型の教材を開発した。実践は今後の課題である。研究目的2)については,開発した教材を使用して学習効果を検証することができた。研究目的3)については,パラレルコーパス専用のウェブ検索プログラムを整備し,次年度から授業での試用を予定している。 研究成果としては,日英パラレルコーパスの指導実践に関する論文が,中村純作他(編)の著書『コーパスと英語教育の接点』(松柏社)に収録され出版された。また,開発した教材を使った指導実践とその種々の効果の分析結果を,台湾教育学会(5/3/2008),TaLC(7/5/2008),World CALL(8/7/2008)の3つの国際学会,および国内学会(JACET,9/12/2008)にて報告した。また,開発した指導法および指導効果の詳細を『日本大学生産工学部研究報告B(文系)』に公刊した。
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