2007 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを活用した自律的な学術論文作成のための英語指導法の研究
Project/Area Number |
19520526
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梅咲 敦子 Ritsumeikan University, 政策科学部, 教授 (20269963)
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Keywords | コーパス / British National Corpus / 英語教育学 / 英語学 / 語法研究 / コロケーション / 定型表現 / デイスコースマーカー |
Research Abstract |
本年度の目標は、(1)大学院生のリサーチペーパーのコーパス化と分析の開始、(2)学術誌掲載論文コーパスの編纂と分析の開始、(3)既存のコーパス、主としてBritish National Corpus(BCN)を利用した指導法の開発であった。(1)に関しては、本年度末に大学院生が提出したリサーチペーパーのうち10名からコーパス化と分析のための使用承諾書を得た。それらの草稿は、熟練ネイティブスピーカーの校閲を経て、今後分析ができる状態にまで一定の資料準備ができた。(2)については、電子ジャーナルから論文の収集を進めている。(3)は、本年度の成果発表の中心であり、BNCを活用した英語指導例を考案し、学会シンポジウムやワークショップで発表した。そのなかでは、論文に使用される類義語examine,investigate,explore,analyzeの相違についての分析を深め、さらに日本語母語話者には差の理解しにくい前置詞の意味理解について,free ofとfree fromや、independent ofとindependent fromの相違、on,over,toと共起する名詞の関係、をコーパスの用例に基づいて説明した。また、コーパスにおける高頻度連語から定型表現を特定し、その統語・ディスコース上の機能を説明した。そのなかには、with this in mindのディスコースマーカー化が含まれる。これらの研究に関連して、ライティング指導法に関わる口頭発表を行い、そのなかで、本研究に必要な誤用分析のための誤用カテゴリーに関する検討を加えた。これらの知見は、論文としてまとめ2008年度に投稿する予定である。
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