2008 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを活用した自律的な学術論文作成のための英語指導法の研究
Project/Area Number |
19520526
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梅咲 敦子 Ritsumeikan University, 政策科学部, 教授 (20269963)
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Keywords | コーパス / 英語教育 / EPS / 英語論文 / 英語学 / 誤用分析 |
Research Abstract |
本研究では、コーパスと辞書を併用して自在に英語で学術研究を発信できる日本人研究者を育成することを究極の目標に、以下の事項を行う。1、学習者論文コーパスを編纂し、日本語母語話者の英語論文の問題点を発見する。2、学術誌掲載英語論文コーパスを編纂し、既存の大規模コーパスと比較しながら英語論文の言語学的特徴を明示する、3、論文作成のための英語指導法を考察する。3年計画の2年目を終了して、次の成果を得た。1、言語系大学院生の論文8名分をコーパスとして誤用分析を行い、上級者英語の誤用の全体的傾向と前置詞の誤用をまとめた。また、誤用分析に有用な分類用タグを、先行研究に基づいて設定した。前置詞の誤用は、前置詞と名詞の共起について多く観察され、後続する名詞との関係で前置詞の認識に母語の緩衝があると考えられる。さらに、正しい認識を持つために、既存の大規模コーパスを使って出力したコンコーダンスラインを見ることが有効であろうと考えられる。これらの成果は大学英語教育学会関西支部大会で発表した。2、学術誌掲載英語論文のコーパス化については、本年度10名から論文をコーパスとして使用する承諾を得た。本年度の英語論文を提出した大学院生には、誤用分析で得られた高頻度の前置詞の誤用と誤用傾向を論文提出以前に告げて英文作成の際の注意を喚起した。現在、注意喚起の効果を含めて分析中である。3、上述の究極の目標を達成するために、コーパスを授業で使用する実例研究、コーパスを使用した学術論文の口頭発表や音声面の研究、英語ライティング指導に関わる方法論の研究とそれらの成果の発表を同時に行い、コーパスの英語教育への応用という本研究におけるコーパスを使用した英語指導法の研究についての成果を論文にまとめた。
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