2009 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを活用した自律的な学術論文作成のための英語指導法の研究
Project/Area Number |
19520526
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梅咲 敦子 Ritsumeikan University, 政策科学部, 教授 (20269963)
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Keywords | コーパス / 英語教育 / ESP / フレイジオロジー / コロケーション / 英語論文 / 英語学 |
Research Abstract |
本研究では、コーパスと辞書を併用して自在に英語で学術研究を発信できる日本人研究者を育成することを究極の目標に、以下の事項を行うものである。(1)学習者論文コーパスを編纂し、日本語母語話者の英語論文の問題点を発見する。(2)学術誌掲載英語論文コーパスを編纂し、既存の大規模コーパスと比較しながら英語論文の言語学的特徴を明示する、(3)論文作成のための英語指導法を考察する。3年計画の最終年度にあたり、これまで進めてきた(1)(3)に続き、(2)(3)を重点的に行った。その結果、学術誌掲載英語論文をScience Direct掲載雑誌から計1億5千万語余収集した。社会科学系6千7百万語余、人文科学系6千万語余、自然科学系2千8百万語余、計61雑誌から約24,900論文を検索可能な状態にした。この自編コーパスと既存のコーパスを利用して、論文における情報配置と必須情報を表現するのに相応しい語彙連鎖の抽出を試みた。さらに、それらの語彙連鎖を言語理論フレイジオロジーと結び付けて説明した。その成果は、「英語論文作成にみるフレイジオロジー」、「フレイジオロジーを活かした英語論文作成指導」と題して発表した。さらに、既存のコーパスを組み合わせた分析を通して言語使用には、従来の統語論に加えフレイジオロジーが関わっている実例を取り上げ説明できた(例えば、if only becauseは一定頻度使用されているがif simply becauseは基本的に見られないことや、little is known aboutの高頻度に対し、little is know onが見られないこととその解釈)。それらの成果は、上述の発表および"Corpus-based Collocation Studies in English : From Lexico-Grammar to Discourse"にまとめた。今後、自編コーパスをさらに活用する方法を模索したい。
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