2009 Fiscal Year Annual Research Report
学習者コーパスと母語話者コーパスに基づくアカデミックライティングの対照研究
Project/Area Number |
19520529
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
望月 通子 Kansai University, 外国語学部, 教授 (20219976)
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Keywords | 学習者コーパス / 日本語作文 / アカデミックライティング / 語彙 / 文法 |
Research Abstract |
外国人留学生の作文を日本語学習者コーパスに、留学生作文と同じテーマで書かれた日本人母語話者の作文を母語話者コーパスとして構築したが、本年度は動詞の使用傾向を中心に分析を行った。形容詞の使用に関する分析に関しては、形容詞化接尾辞の「的」を中心に「的付きナ形容詞」と「非的付きナ形容詞」の使用について、アンケート調査によるパイロット分析と構築した学習者コーパスおよび母語話者コーパスによる分析を行った。パイロット調査およびその結果については、関西大学外国語学部紀要に発表している。学習者コーパスおよび母語話者コーパスに基づく研究結果は平成22年7月末に行われる国際日本語研究大会で口頭発表をすることになっている。 今年度は、研究成果の日本語教育への応用に力点を置き、関西大学出版部より関連教材を3冊刊行した。まず、2冊は外国人留学生の作文による日本語学習者コーパスに見られる学習者のライティングにおける語彙や文型の使用や誤用の傾向を踏まえたトピック別のアカデミック・ジャパニーズのためのものである。機能語の習得を促進させる工夫として、クローズテストを積極的に利用し、さらに動詞の習得を促すための工夫として練習問題を豊富に含めている。もう1冊は学習者コーパスの分析結果とこれらのクローズテストの結果をデータとして分析し、語彙・文法項目として62項目を取り上げ、自律学習教材として刊行した『アカデミック・ジャパニーズへのステップ1語彙・文法の整理と演習』である。現時点では学内に限られているが、CEASにアップロードした各項目の小テストをパソコンで受けることができる(自動採点方式)。 学習者コーパス自体の拡充や公開については、次の科研プロジェクトで引き続き進展させる予定である。
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Research Products
(4 results)