2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520530
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
植松 茂男 摂南大学, 文化学部, 教授 (40288965)
|
Keywords | 英語特区 / 小学校英語教育活動 / 早期英語教育 / 英語教育 / 小中一貫英語教育 |
Research Abstract |
研究最終年度である2010年度は、2007年度から2009年度調査に得られたデータを比較するとともに、小中の教員、児童・生徒からの「聞き取り」を実施し、得られた「質的」知見を3年間の「量的」分析結果の解釈に利用した。その結果、小学校英語活動の開始学年が下がり、履修時間が増加した中学1年におけるJACEテストの全体的なスコアアップ(特にリスニング)、及び中学2年生のみを対象に実施したスピーキング(インタビュー)テストスコアにおける3年連続の統計的有意な向上が確認された。これらのことから、小学校英語活動が中学校2年生頃まで生徒のスピーキングスコア、リスニングスコアに何らかの効果を及ぼしていると考えてよかろう。こうした長期的効果は、開始学年の早期化(小4)や総指導時間数の増加(90時間)だけでなく、「聞き取り」によると小中連携の充実によるものと解釈することもできる。一方、小学校英語活動で扱わない語彙・文法力、リーディング力に関しては長期的な効果は認められなかった。また情意面に於ける開始学年早期化に伴う変化もほとんど検出できなかった。本研究では、情意アンケート結果を「ラッシュ分析法」(Rasch Analysis)を使い標準化した上で、「質問項目信頼性」(itemreliability)、及び「回答者信頼性」(student reliability)、「天井効果」(ceiling effect)などをチェックしながら統計処理を行った。こうした心理統計学的(psychometric)な手法を用いた点で、情意アンケートに関してはこれまでと異なる知見が得られたと考える。今後の課題は、「数値化」に馴染まない児童・生徒の英語学習への情意を、どこまで客観的に測定できるかである。
|
Research Products
(6 results)