2009 Fiscal Year Annual Research Report
小学校英語教育で培われる英語力についての研究―国際的評価基準を用いて―
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19520537
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Research Institution | Hokuriku Gakuin University |
Principal Investigator |
米田 佐紀子 Hokuriku Gakuin University, 人間総合学部・幼児児童教育学科, 教授 (70208768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ギャビン・リー リンチ 北陸学院大学, 短期大学部・コミュニティ文化学科, 講師 (90442144)
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Keywords | 小学校英語で培える力 / 小学校英語の長期的成果と課題 / 世界スタンダード使用の意義と課題 |
Research Abstract |
(1)6年生英語力の検証:ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)・ケンブリッジ英検を用いた調査 本年度は(1)ケンブリッジ英検の公式テスト(2)同テスト模擬試験(3)自己評価アンケートを実施した。集団と個々の児童の両面を捉えるためである。 (1)公式テスト結果では、6年生でCEFR Pre A1(ケンブリッジ英検Starters相当)の力がつく事が示された。平均点の世界との比較では、日本人児童はリスニング力はあるが、リーディング・ライティングとスピーキングで下回ることが示された。言語距離や社会的背景などが影響していると考えられる。Startersは中以下の児童には適切なレベルだが上位児童の英語力測定には頭打ちとなる。個人差に応じた試験実施が課題である。 (2)模擬試験から1年間で優位な学力の伸びがある事、基礎語彙であっても習得困難な語がある事、学習内容・進度の個人差が大きい事が明らかになった。 (3)CEFRのA1のCan-Doを用いたアンケート調査では、児童の英語力に対する自信度が明らかになったが成績との相関はなかった。自分の英語力を確認する場面の欠如が原因であろう。 (2)中高生・大学生へのケンブリッジ英検による英語力調査:小学校卒業後の伸びの検証 同法人内の中高大に進学した本学小学校卒業生45名を対象にケンブリッジ英検を実施した。全般的に小学校での学習成績が中高で継続する傾向が見られた。個人の検証では成績上位者は中2でCEFR A2に到達するが下位者は中3でA1と判定された。高校生はA1~A2と判定された。高校での伸びが課題である。1度きりの試験である事、対象人数の少なさ、そして個人差の大きさから小学校英語の長期的有効性に対する明確な答えは出なかった。しかし、詳細かつ継続的に見て行く必要性と重要性が上記の研究から示された。 上記の研究について6月の中部地区英語教育学会で発表し、3年間の報告書を冊子で公表する。
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Research Products
(3 results)