2008 Fiscal Year Annual Research Report
リスニングの構成要素の特定化ならび要素間に内在する関係の解明
Project/Area Number |
19520539
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Research Institution | Nagasaki College of Foreign Languages |
Principal Investigator |
川島 浩勝 Nagasaki College of Foreign Languages, 教授 (60259736)
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Keywords | 英語教育学 / リスニング / 下位技能 / 複雑系 / テスティング |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、(A)リスニングの構成要素の特定化、および、(B)要素間に内在する関係の解明であるが、平成20年度は、前年度に実施した予備調査を基に、音素識別能力および単文の理解力をリスニングの重要な構成要素と位置づけ、それらと総合的リスニングカとの関係の把握を試みた。音素識別能力にフォーカスを当てた調査では、母音と子音のミニマルペアーの峻別タスクが用いられているが、データ分析の結果、母音ミニマルペアーの峻別能力より子音ミニマルペアーの峻別能力の方が総合的リスニング能力に深く関係していること等が明らかにされている。このような調査に加え、母音と子音のミニマルペアーの峻別能力間に見られる関係を理解するための調査も行った。学習者の総合的リスニングカを5段階に分け、それぞれの段階でどのような関係が見られるかを調べたが、データ分析の結果、1)母音と子音のミニマルペアーの峻別能力の関係は一定ではなく、2)総合的リスニングカが高くなっても、両者の相関は高くなるとは限らない、ことなどが分かった。特に、5段階で一番高いレベルにおいて、そのような傾向があることは注目しなければならいだろう。また、短文の理解力を扱った調査では、文法性/恵味性判断タスク等が用いられているが、短い英文を聴き、その意味を的確に理解する能力が総合的リスニング能力に深く関係していること等が明らかにされている。次年度は、追調査を行い、これまでの分析結果の信頼度を向上させる。また、語彙力など他の構成要素に焦点を当てた研究を行い、調査結果を統合発展させていく。
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Research Products
(3 results)