2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520547
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
岡本 充弘 Toyo University, 文学部, 教授 (40113930)
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Keywords | 歴史理論 / グローバリゼーション / ポストモダニズム / 国際情報交換 / アメリカ:中国:スペイン:イギリス |
Research Abstract |
平成19年度においては、当初の研究計画にしたがって、歴史理論についての基本的な文献の収集・整理を行うとともに、海外の研究者との積極的な交流を行った。具体的な内容は学会発表欄に記されているとおりであるが、それぞれ歴史のヴィジュアライゼーション、歴史のトランスナショナル化の問題点についての発表は、本研究がもっとも中心的な課題としている、グローバル化にともなう歴史認識のありかたを探求したものであり、今後予定されている公刊(これらの発表に関しては、それぞれ主催者から刊行の計画があるという連絡があり、発表原稿を点検・修正のうえ送付した)が実現するなら、海外の研究者との相互的な意見の交流に資するものであると考えている。 また平成19年度は勤務大学の所属研究所における研究プロジェクトにおいて、プロジェクト代表者として歴史のトランスナショナル化というテーマを追求し、鹿島徹(早稲田大学)、成田龍一(日本女子大)などとの共同研究会を行ない、2008年1月に「脱構築のかなたにあるもの」という発表を行い、ポストモダニズムからパフォーマティヴターンへの流れにそって、歴史理論の現状と今後の方向性について、問題を提起した。なおこの発表の内容をふまえて『歴史学・歴史叙述の新しい方向性-リージョナルヒストリーとグローバルヒストリー』という報告書(48頁)を作成した。上述の発表、ならびに報告書は、現在の歴史学の国際的な方向性を、これまで日本ではあまり論じられてこなかった観点から論じたもので、日本での今後の歴史学・歴史理論研究、特にグローバリゼーションの下でのその方向性についてきわめて重要な問題提起を行ったものである。またこうした活動をふまえて2008年3月には渡米し、現地で国際的にもポストモダニズムの代表的研究者として名高いヘイドン・ホワイト、映像論をふまえた歴史理論の代表的研究者であるロバート・ローゼンストーンと意見を交換し、訪日を含めた今後の共同研究計画について協議した。協議では一定の成果が見られ、もし彼らの来日・日本研究者との共同研究が実現すれば、今後の日本の歴史学に大きな影響を与えることが期待できるだろう。 本研究のテーマとなっているグローバル化時代のの歴史認識という問題は、その題目が示しているように双方向的なものである。そうし多目的にそくして、平成19年度には海外の研究者などをとおして、目的にそった十分な活動を行いえたし、また平成20年度以降の研究に対する準備活動を行うことができた。
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Research Products
(2 results)