2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520555
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安達 宏昭 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 准教授 (40361050)
|
Keywords | 近現代史 / 東アジア / 東南アジア / アジア太平洋戦争 / 大東亜省 / 外交 / 戦時経済 |
Research Abstract |
本年度は、「大東亜省」作成文書の調査・収集を実施した。1、文書所蔵機関の実地調査、2、デスクワークによる調査、という二つの方法により進めた。1、文書所蔵機関の実地調査では、主に外務省外交史料館、防衛省防衛研究所図書館、国会図書館憲政資料室、農林水産省農林水産政策研究所図書館、憲政記念館などを訪問し、所蔵情報の収集や主要文書を複写した。2、デスクワークによる調査では、刊行文献やデジタル・アーカイヴでの所在調査を行った。刊行文献では、大東亜省発行図書の所在調査や、刊行資料集に収められている文書の調査収集を行った。デジタル・アーカイヴについては「国立公文書館アジア歴史資料センター」やアジア経済研究所図書館「岸幸-コレクション」などのサイトを、検索機能を利用して調査収集した。 以上により集めた資料・情報の分析と、そのデータベース化を進めた。これらの作業を通して、発足当時の「大東亜省」本省の構成は「満洲」・「支那」・「南方」の三つの事務局と総務局の四局であったが、残存している文書は「支那事務局」作成のものが多く、他部局のものは少ないことがわかった。「支那事務局」については、議会説明用資料により政策の全体像を把握することが可能で、中国本土における食糧と繊維資源の調達・分配については、まとまった史料が存在し、政策過程をある程度解明できる見通しである。これら二つの資源問題は経済施策の中でも重要な課題であったため、「大東亜共栄圏」政策全体の政策過程を解明する指標になると思われる。
|