2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520556
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 学 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 講師 (60250651)
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Keywords | 触穢観念 / 幕府 / 仙台藩 / 朝廷 / 神社 / 近世史 |
Research Abstract |
本研究は、17~18世紀における触穢観念の社会的受容過程を、朝廷・神社/幕府・藩との関係に焦点を当てて再検討すること、そして19世紀における触穢観念の変質とその社会的影響を、朝廷/神社/民衆との関係において明らかにすることを目的としたものである。これは本来的に朝廷・神社世界のものである触穢観念が、いつ、どのように近世社会へ受容されたのか、そしてこの観念が、その後どのように変容したのかを、史料に即して、構造的かつ動態的に検討するものといえる。 本年度には、前年度に引き続き、17~18世紀における朝廷・神社の触穢観念の問題、特に触穢観念をめぐる朝廷と京都の神社との関係について研究するとともに、江戸幕府および諸藩領(仙台藩)における触穢観念の社会的受容の問題についても検討をおこなった。 まず第一に、東京都中央図書館・宮城県図書館などへの史料調査を3回おこない、江戸幕府の儀礼関係資料、さらに仙台藩における正史である『伊達治家記録』や仙台藩の上級武士の記録(『高野家記録』)などを収集した。とくに『伊達治家記録』と『高野家記録』については紙焼き版を作成し、これを踏まえて、関係史料の整理・分析に取り組んだ。その方法論は、江戸幕府および仙台藩の触穢観念に関する記事を抽出し、その関係性を分析するというものである。 その成果の一部を、「歴史における周縁と共生研究会」、「賀茂絵画資料研究会」、市民向け講演会「仙台・江戸学講座」において報告した。
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Research Products
(3 results)