2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代数寄者の茶会記を素材とする政界・官界・実業界の横断的人脈形成に関する研究
Project/Area Number |
19520564
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
齋藤 康彦 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 教授 (00153825)
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Keywords | 茶の湯 / 茶会記 / 近代数寄者 / 実業家 / 三井財閥 / 非三井系財界人 / 地方財界人 |
Research Abstract |
1、20年度は、茶道の「五都」である東京、京都、大阪、名古屋、金沢に加え松江、岡山に出張し、基本的な資料である「茶会記」の調査収集作業を重点的に行った。その結果、確認できた近代以降の「茶会記」は64点を数えるまでに増加した。これは本研究開始前の3倍に達する。これら「茶会記」は古書市場、電子式複写、デジタルカメラによる撮影により蒐集した。また、近代数寄者に関する書籍を古書を含めて購入し、近代数寄者の活動を網羅的に調べた。特に、三井文庫、三菱史料館、渋沢史料館での調査では、これまで明らかにされてこなかった財閥当主の茶会活動を知る資料類を多数入手した。 2、さらに、資料収集作業と平行させて入手した「茶会記」のデータのパーソナルコンピュータへの入力作業を継続し、「小林一三日記」「富田重助日記」など日記類へと収録範囲を拡大し、第1次データベースは延べ18,500を超えた。 3、20年度は蒐集整理が進んだデータを使用して、明治前期から和敬会成立以前の時期を対象とする論文「茶の湯の復興と近代数寄者の台頭」と、「茶会記」だけではない資料を使用して近代数寄者が行った大寄せ茶会と茶の湯に関係する社会文化事業の実態を明らかにした論文「近代数寄者の大寄せ茶会と社会文化事業」を発表し、近代数寄者研究の空白部分を埋めた。次いで関西、名古屋、金沢を舞台とする近代数寄者の地域的な存在形態と、その活動を明らかにする論文「(仮称)近代数寄者の地域的展開」の執筆を進めている。
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Research Products
(2 results)