2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520579
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 和幸 Aoyama Gakuin University, 文学部, 教授 (00211904)
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Keywords | 日本史 / 近代史 / 政治学 / 帝国議会 / 貴族院 |
Research Abstract |
本年度の研究は、貴族院多額納税者議員の互選過程の究明及びその政治活動の実態解明のため、多額納税者議員関係史料の所在調査・収集を中心に以下の通り行った。 先ず、国立国会図書館憲政資料室所蔵未刊文書の調査であるが、憲政資料室所蔵諸家文書の中から多額納税議員発信の書簡を調査して、議員の履歴・史料状況とあわせたデータベースを作成し、今後の史料調査のための基礎作業を行った。また、香川県坂出市鎌田共済博物館において「鎌田勝太郎関係史料」の調査を行った。所蔵史料は、多量に存在しているため今回は、予備調査として主要史料の仮目録を作成し、次年度以降、本格的調査を行う予定である。さらに青森県青森市に出張し「笹森儀助関係史料」の中の多額納税者議員選挙関係史料を収集した。収集史料により、青森県における明治後半期の多額議員互選の実体(すなわち政党間競争の影響と利益関係)の一端を解明し得られるものと考えられる。また、広島県広島市における調査により、広島県出身の多額納税者議員八田徳三郎関係史料及び橋本吉兵衛関係史料の調査を行った。この調査では、八田家史料により、互選関係の究明が、橋本史料により、多額議員の政治的連携関係の究明が可能になる見込みである。また、山形県山形市における調査により、山形県における多額納税者議員関係史料に関する所在調査を行い、次年度以降の調査のため、調査先との協力関係をつくることが出来た。 以上の通り、今年度の調査は、多額納税者議員の基礎研究のために、当初の計画通り進めることが出来た。また、研究成果の公表として、日本政治学会における口頭発表など貴族院に関する新たな研究視点を提示することが出来た。次年度以降、研究計画に従い、さらに地方所在多額納税者議員史料の調査・収集を行うと共に、新史料の発掘も可能な限り行っていきたいと考えている。
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