2007 Fiscal Year Annual Research Report
国民的歴史学運動の京都地域における展開過程に関する研究
Project/Area Number |
19520582
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 聡 Ritsumeikan University, 文学部, 講師 (10368011)
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Keywords | 近現代史 / 京都地域 / 教育史 / データベース |
Research Abstract |
1950年代を中心に京都地域で展開された国民的歴史学運動の展開過程、教育現場・文化行政などへの影響を明らかにするため、本年度は以下の活動を行った。 (1)資料調査 京都教職員組合所蔵資料については、京都教育センター資料室での資料整理・目録作成作業を計13回実施し、国民的歴史学運動関係資料についての概要をとらえるとともに、今後の資料保全作業の見通しを立てた。奥丹後地方教職員組合所蔵資料については、2008年3月16・17日に研究協力者7名とともに調査を行い、全容を確認した。京都民科歴史部会所蔵資料については全体の確認後、紙芝居「祇園祭」(1952年作成)フィルム版のデータ化を行うとともに、国民的歴史学運動に関わる資料を選んで写真撮影した。さらに熊本・福岡・東京・浦和にて藤間生大氏関連資料の調査を行い、年譜と著作目録を作成した。 (2)聴き取り調査 市原寿文氏(静岡市文化財保護審議会)・井ケ田良治氏(同志社大学名誉教授・藤間生大氏(元熊本学園大学教員)から、国民的歴史学運動の実体験について聴き取りを行い、音声データを記録し、一部を文字化した。 (3)研究成果の公表 2007年11月11日に京都大学で行われた京都教研集会特別分科会にて、「若者の歴史意識の現状」に関する報告をワーキンググループとして準備した。また2008年2月24日に京都教育センターにおいて、『昭和史論争を問う』(日本経済評論社)の書評会を開催し、和田悠氏(共著者)・岩井忠熊氏(立命館大学名誉教授)をコメンテーターとして招いた。研究協力者の里井直彦(大阪市立大学大学院)は本研究の調査で得た知見をもとに修士論文「戦後地域社会における教育活動の展開-京都旭丘事件を事例として-」を提出し、現在投稿中である。また(1)の京都民科歴史部会所蔵資料調査で確認した紙芝居「祇園祭」については、2008年7月に日本史研究会主催の市民講演会で研究代表者が報告することが決まり、現在関連資料の調査・検討中である。
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