2008 Fiscal Year Annual Research Report
西夏時代の河西地域における歴史・言語・文化の諸相に関する研究
Project/Area Number |
19520598
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
荒川 慎太郎 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (10361734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴保 新潟大学, 超域研究機構, 准教授 (40403026)
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Keywords | 西夏語 / 西夏史 / 西夏仏教 / 河西地域 |
Research Abstract |
本研究は、11-13世紀に中国西北地域の要衝を占めた西夏の歴史・言語・文化に関して多角的な考察を行なう。特に、西夏の支配地域にとって重要かつ、未開拓の領域を中心課題とする。本年度は研究計画の第2年度である。研究対象となる地域の現地調査、及び同地域から出土した西夏語文献の調査と研究を行なった。その内容と意義、今年度の成果などを述べる。 本年度の主な調査・研究は1)日本蔵西夏文献の整理継続、2) ロシア所蔵西夏語文献の調査・分析継続、3) 敦煌莫高窟他の現地調査に大別される。1) は、最終的に『日本蔵西夏文文献』上下として公刊を予定している。研究代表者荒川、研究分担者佐藤貴保他、及び中国人研究者が共同編集を継続した。2) は、ロシアに所蔵される西夏語文献の調査・研究である。荒川、佐藤は、ロシア国サンクト・ペテルブルグ市、東方文献研究所に所蔵される西夏語文献を閲覧し、それぞれ西夏語仏典、西夏文俗文書の研究を進めた。3) は中国甘粛省、敦煌における現地調査である。荒川、佐藤貴保、研究協力者向本健が、莫高窟他現地の石窟を調査し、荒川、向本は「遼金西夏史研究会第9回大会」においてそれぞれの研究分野に関して発表を行った。荒川は西夏文題記に見られる言語学的特徴、向本は西夏時代の仏画などに関して新たな知見を提示した。 いずれも西夏時代の河西地域の言語、仏教、歴史を知る上で欠かせない研究であり、難解な西夏文字による文献資料の解読と、それに関連する研究は世界的に価値のあるものである。 荒川は研究成果の一部を論文に発表し、国際学会で発表した。小野裕子(研究協力者)が執筆した「西夏文軍事法典『貞観玉鏡統』の成立と目的及び「軍統」の規定について」は『遼金西夏史研究の現在』(1) (東外大AA研,2008.6)にて予定通り公開された。
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Research Products
(2 results)