2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520599
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
渡部 良子 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10447500)
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Keywords | イラン / イスラーム / ペルシア語 / 歴史 / 書記 |
Research Abstract |
本研究は、イラン・中央アジア・インド・トルコ等、ユーラシアの広大な領域の文化形成に影響を及ぼしたペルシア語=イラン・イスラーム文化の特徴と、その近代に至る歴史的変容を、ペルシア語散文技術・書簡術が担った社会的・文化的役割を手がかりとして明らかにするものである。 当該年度は、ペルシア語書記術手引書ほか、ペルシア語文化圏の書記官僚エリート文化に関する史料文献のデータ蓄積・整理を集中的に進め、そのデータをもとに、イランおよびイギリスのペルシア語古写本所蔵機関での現物調査を行った。イランでは、テヘラン大学図書館・イラン国立図書館・議会図書館において、重要なペルシア語書記術文献を調査したほか、19世紀-20世紀の近代変革期に刊行されたペルシア語書簡術の教科書の調査・収集を行い、ペルシア語書記術の近代における変化を跡付ける史料の系統的な収集に端緒をつけることができた。イギリスでは、大英図書館において中世期の書記術文献を調査し、最初期から15世紀までの主要書記術文献の現物調査をほぼ終えることができた。さらに、文人としての書記官僚の文化活動を明らかにする関連研究として、14世紀の書記官僚の韻文学作品を分析する論文を執筆し、『上智アジア学』2007年号に掲載した。
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