2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520599
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
渡部 良子 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10447500)
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Keywords | イラン / イスラーム / ペルシア語 / 歴史 / 書記 |
Research Abstract |
本研究は、イラン・中央アジア・インド・トルコ等、ユーラシアの広大な領域の文化形成に影響を及ぼしたペルシア語=イラン・イスラーム文化の特徴と、その近代に至る歴史的変容を、ペルシア語散文技術・書簡術が担った社会的・文化的役割を手がかりとして明らかにするものである。 本年度は、予定していたイランへの現地調査が不可能になり、「研究実施計画」で予定していた近代の学校教科書を中心とするペルシア語書簡術の手引書・教科書の調査を実施することが出来なかった。 その代わり、ヨーロッパのペルシア語写本所蔵図書館に分散する前近代の主要なベルシア語書記術手引書の写本の収集を進め、現存するペルシア語書簡術・書記術文献資料の網羅的なデータを、ほぼ整理しえた。 また、昨年19年度に着手した、ペルシア語書記術・書簡術の担い手である書記官僚の、文化的エリートとしての活動を明らかにする関連研究をさらに発展させ、代表研究者が中心的に分析を進めている13-14世紀モンゴル支配時代の文人官僚の文学活動と、ペルシア語書簡儀礼における王権の表象の関連に関する分析を行った。その成果の一部について、3月に行われた国際ワークショップで、英語による口頭発表を行った。
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