2007 Fiscal Year Annual Research Report
清末のアヘン追放運動と中国アヘン税収をめぐる中央・地方間の抗争との関連
Project/Area Number |
19520602
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新村 容子 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (80362945)
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Keywords | 禁烟運動 / 趙爾巽〓案 / 四川総督 |
Research Abstract |
本研究に対する科研費の支給が19年10月からの追加支給であることにより、申請時の「研究計画調書」に記載した研究計画は大幅に変更を加えざるを得なかった。当初の計画では19年の夏にイギリス公文書館において外務省文書の収集に従事する予定であったが、それは実現できなかった。また、申請テーマとは別のテーマでの研究を始めており、そのテーマに関して報告や執筆をする必要性もあった。 本研究に対する科研費支給が決まった10月以降は、本研究に関する研究文献・史料の収集を進めた。特に、20年2月末には北京の第一歴史〓案館を訪問し、『趙爾巽〓案』に収録されている四川総督時代の禁烟運動関連〓案を閲覧した。1906年から1907年の時期において中国最大のアヘン生産地である四川省のアヘン追放運動がどのように進められたかについて、地方の末端における反応をなまなましく伝える極めて興味深い史料であった。複写が許されなかったため、来年度以降再度訪問して史料を筆写する必要がある。この史料を見出したことによって、アヘン追放運動に対して四川省の役人たちは極めて消極的であり、末端では激しい抵抗運動が頻発していたことを知ることができた。アヘン追放運動が従来の評価に反して、民衆や地方官僚から強い反感を持たれていたことがわかる。この史料は本研究の目的達成に極めて重要な史料である。
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Research Products
(4 results)