2007 Fiscal Year Annual Research Report
17-18世紀インド・グジャラート地方の国際港市社会の変容過程についての研究
Project/Area Number |
19520605
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
長島 弘 University of Nagasaki, 経済学部, 教授 (10145964)
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Keywords | 東洋史 / 17,18世紀 / インド / グジャラート / 港市社会 / 社会史 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インドの近世(ムガル朝期)から近代(英領期)にかけての社会の変容過程を、インド西部のグジャラート地方の国際港市スーラトに焦点を当てて解明することにあり、具体的にはスーラトの諸社会集団の諸活動、相互関係、行政当局との関係等を具体的・実証的・総合的に研究することにある。 平成19年度の研究計画の(1)地図史料、東インド会社文書、ペルシア語史料の収集については、英国博物館から1817年作成のPlan of Suratという地図をCD-Romで入手し、オランダ東インド会社文書もオランダにおいてスーラト商館の平面図その他を電子データの形で収集した。(2)18世紀前半のスーラト市の都市社会学的研究に関しては、主に『ミラートゥル・ハカーイク』中のスーラト県長官イティバール・アリー・ハーンの日記の読解を進めているところである。(3)17、18世紀グジャラートに関する参考文献の収集に関しては、東インド会社についての研究書を含めて収集に努めた。(4)研究成果の発表では、特にスーラトの地図とそこに見られる町割の研究について発表を計画していたが、ジャイプル博物館の地図の再撮影許可が現在のところ得られていないため、延期せざるを得なかった。ただし、英国博物館蔵の1817年地図が入手できたので、ジャイプル博物館蔵の地図の既入手部分との比較研究を進めているところである。また英・蘭・仏東インド会社の商館の所在地およびその変遷について、地図史料、諸東インド会社史料で追究し、国際シンポジウムで報告した。出島に固定された長崎のオランダ商館と比べて所在地の変遷したところに、長崎と比べてのスーラトの諸商館の行政権力、社会との関係の特色が窺われる。またスーラトにおける国家権力と商人との関係についての最近の学説についても整理して、学会の部会で報告した。
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