2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国農村慣行調査を再々訪する:華北農村100年史の研究蓄積の世界への発信に向けて
Project/Area Number |
19520607
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
GROVE Linda Sophia University, 国際教養学部, 教授 (20296891)
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Keywords | 中国 / 農村 / 社会変革 / 慣行調査 / 都市化 / 経済発展 / 華北 / 社会主義 |
Research Abstract |
本年度は、中国の華北の村々に関する研究書を英文で執筆するプロジェクトの最終年度にあたり、計画に沿って研究を進めた。本年度に取り組んだ課題は次の3つであった。 1. 村々に関する公文書資料の収集と分析。筆者が収集した資料以外にも、中国側の研究協力者が県の公文書資料や統計資料の収集に成功した。これらの資料の多くは読解が困難なため、日本で雇った中国人研究助手に手書きの資料をタイプし直してもらった。 2. 1990年代に初めてフィールドワークを行なうた当時、中国ではフィールドワークや公文書資料を用いて天20世紀後半の中国の村々を研究するといった歴史研究は、ほとんど行なわれていなかった。しかし、ここ4、5年天中国の学者もこうした研究を発表するようになってきている。筆者は本年度天中国で最近発表された研究書20冊以上を収集しており、こうした研究書で紹介されている村々と、筆者らが研究を行なってきた村々との違いを比較検討している。 3. 中国人研究者との意見交換。筆者は昨年8月に華北(北京、天津、河北省)を訪れ、2つの学会に参加している。その1つは、天津社会科学院が主催した「明清以来区域友展与現代化〓程(明清時代以来の地域発展と近代化の過程)」であり、もう1つは南開大学中国社会史研究センターが主催した「断裂与〓〓:金元以来的〓北社会文化(断絶と連続:金元時代以来の華北の社会文化)」である。また、北京にある中国社会科学院近代史研究所でもセミナーを行ない、農村史分野の第一人者数名とも意見交換をすることができた。8月に中国を訪問した折には、河北省を再訪し、現地の学者と最近の状況について話し合った。 4. 以上3つの課題達成に加え、現在はこれまでに行なったインタビューの内容を翻訳しているが、これは研究書の中心部分にあたる。また研究書執筆の準備として、内容の概略をまとめた。
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