2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国反日運動と歴史継承的現地構造との連関実態の解明:中国東北地域を事例として
Project/Area Number |
19520609
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松重 充浩 Nihon University, 文理学部, 教授 (00275380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
塚瀬 進 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (80319095)
古市 大輔 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (40293328)
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Keywords | 満洲 / 近代中国 / 八旗制 / モンゴル / デジタルアーカイブ / 絵葉書 / ハルビン / 中国東北地域 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度獲得した諸成果(日中関係の具体的な分析に入る諸前提となる研究整理、資料整理、フィールド調査、等)を前提に、主に以下の二つの研究実績を獲得することができた。 1.歴史的前提となる清朝統治期東北地域における政治・経済空間の特徴分析: 本科研の特徴の一つは、「歴史継承体」としての中国東北地域の諸特徴を踏まえた上で、20世紀に展開した現地反日運動の実態解明を図ることにある。本年度は、この点に関して、柳澤が「八旗制」の諸特徴とダイナミズムを、塚瀬が19世紀中頃に至る東北地域政治・経済の課題と展開実態を、また古市が、それが清朝中央と、別言すれば、国家意思(後のナショナリティの前提ともなる)と如何なる関連を持つものであったのかに関して、以下に掲げる成果の中で、従来の実証的空白を埋める研究を提示することができた。 2.新たな資料空間の検討と分析: 本科研の上述したものとは別の課題に、東北地域の多民族居住空間としての特徴、さらには日中間の相互依存的な経済関係実態の解明があるが、それを可能とするためには既存の資料的限界を突破しておくことも重要となる。この課題に関して、本年度は、松重が絵葉書等の従来等閑視されてきた各種資料をデジタルアーカイブ化し、PCを駆使することで新たな資料的空間の構築を試み、その一部を公開シンポで報告することができた。
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