2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520614
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
伍 躍 Osaka University of Economics and Law, 教養部, 教授 (60351681)
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Keywords | 官僚制度 / 中国史 / 東洋史 / 売官 / 捐納 |
Research Abstract |
平成19年度中、以下のように研究活動を行なった。 1、資料の調査収集 (1)国内では、京都大学文学部図書館・京都大学人文科学研究所付属漢字情報研究センター、および国立公文書館(私費)に赴き、捐納関係の資料を調査収集した。 (2)海外では中華人民共和国の国家図書館・北京大学図書館・中国科学院情報文献センター(以上は北京市)・に赴き、捐納関係の資料を調査収集し、現地の研究者との意見交換をした。なお、地球環境総合研究所の研究旅費で遼寧省図書館(瀋陽市)と大連市図書館に赴き、捐納関係資料の調査収集をした。 その結果、清朝時代の官僚名簿資料、『大清仕籍全編』(国立公文書館内閣文庫)、『山東同官録』(京都大学人文科学研究所付属漢字情報研究センター)、『新彊官吏録』(大連市図書館)など、計10数種を収集した。そのなか、『山東同官録』については、官僚履歴をデータ・ベース化するための準備作業はすでに着手した。 2、研究 本年度は、主に前近代中国における政治制度の基本構造に関わる問題、とりわけ売官がどのように宮僚の人事管理や賞罰に作用したのかを中心に、売官制度の設計・論理、およびその運用問題を研究した。2008年度東洋史研究会大会において、「清朝の捐納制度と官僚の懲戒処分制度」を題に講演を行った。そのなかで、官僚が受けた懲戒処分を金銭で解除する「捐復」制度の枠組みを学界ではじめて明らかにした。今は、さらに作業を進み、平成20年度中に活字化して公表する予定がある。
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