2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520618
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有光 秀行 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 准教授 (80253326)
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Keywords | ネイション / 証書 |
Research Abstract |
本年度は11に記載のごとく、6月にそれまでの研究成果を学界に報告し、また「アドレス」と深い関係を持つ証書の他の構成要素についての事例研究成果を公刊した。また当初の研究実施計画に従い、「文書形式」そのものの伝播・継承・変化を検証するため、T. A. M. BishopのScriptores RegisやIdem et P. Chaplais (eds) Facsimiles of English Royal Writs to A. D. 1100といった古典的研究における見解を確認すると同時に、編纂手法上の問題がいわれてきたため、これまで分析の対象からはずしていたRegesta Regum Anglo-Normannorumのvols.1,2における「ネイション・アドレス」使用例の析出をおこない、考察対象例のさらなる蓄積につとめた。さらに、教皇庁文書とイングランド文書との関連性を探るべく、C. R. and M. G. Cheney (eds) The Letters of Innocent IIIを参照すると同時にWalter Hortzmann (Hrsg) Papsturkunden in Englandのvols. 1,2を分析した。教皇庁文書の2つの基本文型、およびイングランド文書とのその類縁性を確認すると同時に「ネイション・アドレス」がブリテン諸島独自のものである可能性がひじょうに大きいことも改めて確認できた。
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