2010 Fiscal Year Annual Research Report
合衆国南西部における先住社会の再編過程の歴史的検討
Project/Area Number |
19520625
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 由美子 成蹊大学, 文学部, 准教授 (40362214)
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Keywords | 西洋史 / 社会史 / アメリカ史 / エスニシティ論 / 先住民史 |
Research Abstract |
平成22年度の科学研究費による研究内容と実績は以下のとおりである。 今年度は、19世紀の領土拡張期の合衆国の事例に基づき、法的地位としての「市民」と「国民」という二つのカテゴリーの差異化の歴史的意義を検討した。まず、新たに合衆国領となった地域の住民に与えられた「国民」(厳密にいえば、市民ではない国民non-citizen national)という地位身分の創出過程に着目し、「国民」という地位身分がどのような経緯を経て創出されたのかを検討し、「国民」と「市民」という二つの法的地位を比較・対比した。次に、これまで行ってきた先住民の法的地位に関する基礎的研究を踏まえ、「インディアン」という地位身分と、「国民」・「市民」という地位身分について、三者を比較・対比しながらその変容過程と歴史的意義を検討した。具体的な事例としては、19世紀半ばの米墨戦争後に合衆国に併合された南日部地域と先住民保留地、さらにパナマ運河地帯それぞれの住民の法的地位が創出された経緯とその変容過程を取り上げた。その成果の一部として、昨年度には、日本アメリカ学会年次大会(平成21年9月20日於名古屋大学)のシンポジウムで口頭発表を行なった。今年度は、その口頭発表をもとに論文を執筆し、「法的概念としての『市民』と先住民-領土拡張期の土地と住民の法的地位をめぐるポリティクス-」(『アメリカ史研究』第33号所収)と題した論文として発表した。
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Research Products
(1 results)