2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ第三帝国下のユダヤ人との「混血」イメージの変遷に関する研究
Project/Area Number |
19520634
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長田 浩彰 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40228028)
|
Keywords | 混合婚 / 混血者 / 反ユダヤ主義 / ナチ第三帝国 / 人種主義 / 人種汚辱罪 / 混血児 |
Research Abstract |
本年度は、第三帝国下でのドイツ人とユダヤ人の「人種混淆」に関する住民意識を調査し、研究の終了をはかるために、以下の研究を行った。 1.研究初年度に購入したマイクロフィルムスキャナを利用し、一昨年度から昨年度にかけて購入した当時の雑誌Volk und Rasse, Neues Volk(ナチ党人種政策局編集),Der Sturmer(ナチ党員シュトライヒャー編集),Archiv fur Rassen-und Gesellschafts-biologie, Das Schwarze Korps(ナチ親衛隊機関誌),I11strierter Beobachter(ナチ党機関誌の1つ)などにおけるユダヤ人や異人種との混血に関する記事内容の分析を継続して行った。 2.ナチ体制下で「人種汚辱罪」で裁かれたハンブルクでのドイツ人とユダヤ人のカップルの具体的な事例に関して、本人たちとその子どもたちに関して調査した昨年度の研究成果を盛り込んで、単著『われらユダヤ系ドイツ人』(広島大学出版会)を出版した。これは、2010年7月21日に、早稲田大学・文学研究科によって博士(文学)を授与された学位論文「ユダヤ系ドイツ人の現代史研究序説1893-1951」を加筆修正したものである。 3.これまで行ってきた1.に関する研究成果を、現在まとめる最中である。これらに関しては、本研究終了後においても学術雑誌論文として順次公表していく予定である。現在は、1941年の反ユダヤ映画「ユダヤ人ジュス」に関して、どういった評価がなされているのか、それはそれぞれの雑誌の性格とどう関係しているかなどを吟味中である。
|
Research Products
(1 results)