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2009 Fiscal Year Annual Research Report

近代アメリカの女流史家と出版文化の変容

Research Project

Project/Area Number 19520647
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

肥後本 芳男  Doshisha University, 言語文化教育研究センター, 教授 (00247793)

Keywords共和主義 / 女流史家 / 印刷文化 / 市場革命 / 大覚醒運動 / 公共圏
Research Abstract

本研究プロジェクトの最終年度として、私は補足的なリサーチをおこない、研究成果の取りまとめに専念した。本年度は研究課題の重心を、建国初期からアンテベラム期(19世紀前半)に移し、印刷技術の革新およびアンテベラム期における「市場革命」の進展、印刷業者と編集者との職能分担、新しい近代的な出版社の台頭などを中心に研究を進めていった。夏休暇中に2週間ほどであるが、クレイトン大学図書館、マサチューセッツ歴史協会、ハンティントン図書館などを回り、印刷文化と女性史家、編集者に関わる史料の閲覧と収集を精力的におこなった。このリサーチの成果の一部は中・四国アメリカ学会年次大会で報告することができた。
一次史料及び二次文献の分析・整理を通して、次の3点の重要な成果を得た。第一に、当時の広範囲な第二次大覚醒運動のなかで、メソジストなどの福音派教会の出版組織が印刷文化の変容を先導していたこと、特にアメリカ聖書協会(1816)、アメリカ日曜学校連合(1824)、アメリカ・トラクト協会(1815)などの宗教組織は多数の教派を組織化すると同時に、有効な布教手段として安価で大量の印刷物を独自に刊行する出版機関を持った。第二に、こうした福音主義的な運動と並行して、1830年代にはニューヨークや西部新興都市を中心に近代的な出版社が出現し、成長しつつあった出版市場で読者層の獲得にしのぎを削るようになった。第三に、アンテベラム期の印刷文化を考察する上で、女性が重要な役割を担った。教育テキストの執筆者のなかには女子教育のパイオニアとして知られるエマ・ウィラードのような著述家も数多く含まれていた。
また、印刷文化は奴隷制廃止運動の展開にも決定的な役割を果たした。アボリショニストの機関誌の編集・執筆に女性たちがどのように参加し、それが「公共圏」の形成にいかなる影響及ぼしたのかを分析することは、今後の優先的な課題としたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article]2009

    • Author(s)
      金井光太朗編
    • Journal Title

      アメリカの愛国心とアイデンティティ-自由の国の記憶・ジェンダー・人種(彩流社)

      Pages: 213[41-64]

  • [Presentation] アンテベラム期の印刷文化とジェンダー2009

    • Author(s)
      肥後本芳男
    • Organizer
      中・四国アメリカ学会(第37回年次大会)
    • Place of Presentation
      安田女子大学
    • Year and Date
      2009-11-28

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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