2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520650
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
木下 正史 Tokyo Gakugei University, 特任教授 (70000487)
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Keywords | 高麗尺・唐尺 / 大尺・小尺 / 都城制 / 官寺・氏寺 / 地方官衙 / 領域支配 / 枡 / 権衡 |
Research Abstract |
1、飛鳥・藤原京を中心に宮都・寺院遺跡における尺度関係資料を収集・整理・分析した。その結果、唐尺の使用は7世紀中頃に宮都中枢部や天皇発願の寺院の造営から始まることを明確にした。それは中央における京制の成立、都づくりの本格化と相関することを具体的に跡づけた。百済大寺での唐尺使用が最古であり、大匠書直県が唐尺を導入した可能性が高いことを明らかにした。飛鳥京上層宮殿(飛鳥浄御原宮)の段階に至り、天平尺に近い唐尺の使用が始まり、尺度制の統一・整備が進展する画期であることを明確にした。併せて地方官衙・寺院等遺跡における尺度関係資料を収集・整理・分析した。これら諸遺跡では7世紀後半に唐尺の使用が始まるが、地方における天平尺による尺度制の統一化・整備は、8世紀前半における国衙の整備期まで下ることを明らかにした。 2、量衡についても関連資料の収集・整理・分析を進めた。特に平城宮・京における銅製・石製の権衡資料、須恵器の一合・二合枡資料を収集し、平城京内では須恵器枡が下級官人を含む広範な人々の間で使用され、量制の整備が相当に進んでいることを明らかにした。須恵器枡は各地の8世紀後半以降の集落遺跡から相当数発見されており、量制の統一化が進展している実態を明確にしつつある。 3、百済・新羅における度量衡関係資料の収集・整理を進めた。百済王宮・寺院遺跡では、高麗尺使用の遺跡が大半であり、一方、新羅では7世紀中頃から後半造営の皇隆寺や雁鴨池(東宮)では唐尺の使用が始まっていることを明らかにした。古代日本との具体的な関係について検討を進めた。
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Research Products
(1 results)