2008 Fiscal Year Annual Research Report
殖産興業としての再興九谷焼の資料化と消費遺跡からみる九谷焼の流通
Project/Area Number |
19520652
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 花江 Kanazawa University, 環境保全センター, 准教授 (40303276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 達夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60111754)
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Keywords | 考古学 / 再興九谷焼 / 梨谷小山窯 / 暁鳥コレクション / 窯跡調査 |
Research Abstract |
(1)再興九谷焼の窯跡調査をおこなった。梨谷小山窯跡は、昭和16年に初めて考古学的に窯の存在が報告された。以後名前のみ研究者の間で知られるだけで、現在では地元の人でさえ窯跡があることを知らない状況である。窯の詳しい報告はなく、製品も伝製品としてごくわずか知られているのみである。本研究では、梨谷小山窯跡の考古学的記録保存のために調査をおこなった。すでに窯体は崩れて保存状況がよくないが、周辺の清掃、窯体の発掘により図面作成と写真撮影をおこなった。遺物や調査の記録整理を21年度におこなう。 開発により、再興九谷焼の窯の多くはすでに壊されてしまっている。地元でさえも忘れられていた梨谷小山窯跡は、私有地の山の中にあったことも幸いして今回記録保存をすることができた。名前しか知られていなかった窯跡の実態が資料化できたことは、九谷焼研究の上で大いに意義のあることである。 (2)金沢大学所蔵の再興九谷焼のデーター化をおこなった。金沢大学資料館所蔵品である暁烏コレクションの中に、再興九谷焼がある。充分に整理・資料化されていなかったため、写真撮影と実測図作成等をおこない考古学的にデーター化した。また、所蔵する他の九谷焼資料も同様に資料化した。展示されることもほとんどなく、外部に知られることのなかった重要な資料が今回データー化されたことに意義は大きい。 (3)継続中の大学内遺跡や国内外の九谷焼資料の写真撮影等資料化作業をすすめた。再興九谷焼の窯毎の分類をすすめており、作業は次年度も続ける。
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