2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520664
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
松村 公仁 The Middle Eastern Culture Center in Japan, アナトリア考古学研究所, 研究員 (60370194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 幸弘 (財)中近東文化センター, アナトリア考古学研究所, 所長 (10260142)
大村 正子 (財)中近東文化センター, アナトリア考古学研究所, 研究員 (80370196)
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Keywords | トルコ共和国 / アナトリア / 考古学 / 鉄器時代 / 暗黒時代 / 後期ヒッタイト / カルケミシュ |
Research Abstract |
アナトリア前期鉄器時代、つまり暗黒時代に関して、カマン・カレホユック遺跡の調査結果を踏まえ、もう一つの暗黒時代文化の存在が知られているカルケミシュ遺跡の研究に向けての予備調査が本研究である。カルケミシュ遺跡は前4千年紀より粘土板文書にその名が登場し、それぞれの時代において重要な役割を果たした遺跡である。1879年から1881年、1911から1914年、それに1920年の発掘によって後期ヒッタイト時代のレリーフをはじめとする貴重な遺物が出土しているが、二つの戦争によって発掘を中断せざるを得なくなり、出土品が散在してしまった。どこにどんな遺物が所蔵されているのかが把握できてないのが現状である。 カルケミシュ遺跡はトルコーシリア国境に位置し、トルコ側には地雷が埋設されており、調査が行える状況にはない。しかし遺跡の重要性から将来的にカルケミシュの研究が再開されることを期待し、その準備段階としてこれまでの発掘出土品を把握、整理する必要がある。この研究は各地に散在しているカルケミシュ遺跡出土の遺物の所在を把握することを目的とした。 遺物が所蔵されている3つの主要な博物館(大英博物館、アンカラアナトリア文明博物館、イスタンブール考古学博物館)を尋ね、遺物の確認調査を行い、博物館の所蔵品リストを作成した。本年度は主に前年度入手したカルケミシュ出土博物館所蔵品のデータを整理し、それらが報告書で出版されているかを照合する作業を行った。この他アダナ博物館、アンタキヤ博物館にカルケミシュ出土の遺物が所蔵されているとの情報を得、トルコ共和国、文化観光省考古局に調査申請をしたが、両博物館からは該当の遺物がないとの返答が来た。 今後の計画:入手した所蔵品カードには写真の添付されているものが少なく、詳細が理解しにくいため今後必要に応じて写真撮影作業を行うことを計画している。次年度においても博物館での調査申請を行い、許可を得ており必要に応じて写真撮影等調査を継続していく。
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