2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520665
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
宮原 晋一 Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture, 研究部, 研究員 (90250373)
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Keywords | 鉄鏡 / 洛陽市文物工作隊 / 鋳造と鍛造 / 崇福寺跡塔心礎納置品 |
Research Abstract |
1 河南省洛陽市文物工作隊第1隊が保管する鉄鏡について、改めて悉皆調査をおこなった。細部の写真撮影並びに、全70数面の資料に対し、細部写真の撮影と平面図並びに断面図を作成することができた。工作隊副隊長の程永健は出土遺構についての資料をさかのぼって検索したが、一部出土地が不明なまま資料化せざるを得ないものが残っている。これらの共同調査で整理した資料について、橿原考古学研究所と共同名義で出版する協議書を交わし、平成20年度に出版する予定である。 残念なことになことに、市文物局の最終的な同意がとれなかったため、祖織分析調査は果たすことができていない。鉄錆の表面観察によると、鋳造製のものと、鍛造制のものとの両者かあることを確信するに至っている。 2 河北省・山東省・紅蘇省の鉄鏡について、共同調査の可能性をはかるべく、各省の考古研究所を訪れた。河北省では調査組織よりも調査した個人の権限が大きく、組織としての共同調査はきわめて困難である。山東省および江蘇省では省単位での調査組織の権限が大きいため、組織間での共同調査が可能であるとの心証を得ることができた。 3 韓国内における鉄鏡の所蔵状況を現地に赴き調査した。実見することができたのは皇南大塚出土資料だけである。 4 日本国内の組織が招聘した中国の考古学研究者に積極的に面会し、各地域における鉄鏡出土情報の聞き取りをおこなった。 5 国宝・崇福寺跡塔心礎納置品一括(近江神官所蔵・京都国立博物館寄託)にある金銅背鉄鏡について、熟覧調査を実施し、カラー写真とX線写真を撮影した。毛彫りで刻まれた紋様は精緻な割付によっており、図化もおこなった。
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