2007 Fiscal Year Annual Research Report
ITサービス業の集積に関するインドと中国との比較研究
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19520676
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北川 博史 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (20270994)
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Keywords | インド / ITサービス業 / BPO |
Research Abstract |
本研究は,近年,成長の著しいインドならびに中国におけるITサービス業の地域的展開とそれにともなって形成される産業集積地域の実態を,両国の比較を通して,解明することを目的とした。その際,第1に両国のITサービス業の地域的な展開過程と集積の実態を,BPO部門の地域展開にとくに注目して明らかにし,第2に,産業集積地域内における企業構成,人的資源の蓄積過程,BPO部門の地域的な動態の三つの側面から,両国における産業集積の特徴を明確化したいと考えた。インドならびに中国におけるITサービス業の地域的展開とそれにともなって形成される産業集積地域の実態を明らかにするにあたり,本年度は,インドにおけるBPO部門の地域的な発展過程に関する基礎資料の収集を行った。 収集した基礎資料を分析した結果,北川(2008)において論じたように,以下の点について明らかとなった。すなわち,インドのITサービス業は1990年代から輸出指向型産業として急成長を遂げ,インドはITサービスを提供する中心地としての存在を確固たるものとしている。こうしたインドITサービス業は当初,オンサイト方式によるアメリカ合衆国への人材派遣という形態により存立していたが,企業環境の変化や情報通信技術の発展により,インド国内において業務を行うオフショア方式へと転換していった。こうしたオフショア方式は新たなITサービスの勃興に寄与し,ITES-BPOなどのITを活用した関連サービスの輸出という新たな分野の開拓へとつながっている。そうしたITサービス業の急成長を支えたのは優秀かつ豊富な人的資源の存在であった。インドのITサービス業は,これまでの成長を支えてきたソフトウェアサービスの輸出を軸としながらも,その一方で広範なITサービスを展開し,さらなる発展を遂げるものと期待される。
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