2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国地誌の回顧とフィールド調査に基づく記述の実践による地誌学再考
Project/Area Number |
19520684
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小島 泰雄 Kobe City University of Foreign Studies, 外国学研究所, 准教授 (80234764)
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Keywords | 地理学 / 地誌 / 中国 / フィールド調査 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度にあたる本年度の研究は3つの研究過程から構成される。 まず本研究課題の一方の軸となる中国地誌の収集と読み込みについては、明治期の到達点として矢津昌永『清国地誌』を、さらに戦中の皇国地誌として米倉二郎『満洲・支那』をそれぞれ示準としながら、近代期の日本における中国地誌に関して、書籍リストの作成を進めるとともに、上記2書を中心に綿密な読み込みを行っている。 また本研究課題のもう一つの軸である地誌の実践に関しては、その基礎をなすフィールド調査を、平成19年12月から平成20年1月にかけて2週間にわたって、中国南京において長江下流域の産業化と都市形成にかかわる景観観察と聞き取り調査を行い、続いて一国二制度の下、中国化を強めつつある香港で都市の景観変遷と生活空間変化にかかわる短期間の調査を実施した。 地誌の実践の一環として社会への還元を意識的に行うことは本研究課題の一つの特徴であるが、本度末に刊行された高校地理教科書とその指導書において、中国に関する記述を行ったほか、研究活動に連動したホームページ作成のためのコンテンツ作成を継続しており、次年度にはホームページの立ち上げを行う予定である。 公開した研究成果はいずれも他の研究課題との関連を有するものであるが、いずれも地誌に強い志向を有しており、かつ地誌の実践としての意義を有するものである。
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