2007 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における港湾空間の変容に関する地理学的研究-土地利用変化の観点から-
Project/Area Number |
19520689
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
奥平 理 Kure National College of Technology, 一般科目, 准教授 (70280310)
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Keywords | 港湾空間 / 土地利用変化 / 港湾分区 / 都市計画区域 |
Research Abstract |
本研究では、わが国の港湾発達史を分析し、わが国の港湾空間が変化する際の要因を時系列的に明らかにする。そして、2004年現在でわが国の港湾取扱量上位10位にある港湾(名古屋・千葉・横浜・水島・苫小牧・北九州・川崎・大阪・東京・神戸)を対象として、先に明らかにした要因と港湾土地利用がどのような影響を受けていかなる変容を遂げたのかを分析することにより、港湾空間の再編成を明らかにすることを目的とする。 本研究の目的を達成するために、平成19年度は上記の港湾における現地踏査並びに聞き取り調査を重点的に行った。6月には苫小牧港、9月には東京港・横浜港(第一回)・千葉港、3月には横浜港(第二回)・名古屋港・大阪港・神戸港・水島港への現地踏査並びに聞き取り調査を行い、有益な資料と現地踏査で得られた写真データを入手した。また、研究の目的には当初入れていなかったものの、文献調査の結果、水深が深く、埋立が困難である港湾の事例として鹿児島港を追加し、現地踏査並びに聞き取り調査を行った。 本年度の調査により得られた成果は下記の通りである。 1.港湾分区について、数地区で「無分区」指定が土地利用変化をもたらすことが明らかになった。 2.港湾機能の「沖出し」に伴い、都市地域が「都市圧」を隣接する古い港湾地域に与えている事例が数地区で明らかになった。 3.港湾分区設定の際にあらかじめ水際線のみを港湾分区に指定し、港湾に接しない部分については都市計画区域(港湾分区無指定)として開発された港湾があることが明らかになった。 なお、第一論文は研究実施計画と順序を入れ替え、まず苫小牧港の事例について目下執筆を行っている。完成は研究実施計画より若干遅れ、平成20年4月を予定している。また、その後は順次各港湾の事例をまとめ、学会発表等を行い、年度内に研究を終える予定である。
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