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2009 Fiscal Year Annual Research Report

東南アジア大陸部シャン民族における文字文化の継承と実践についての人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 19520698
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

村上 忠良  Osaka University, 世界言語研究センター, 准教授 (50334016)

Keywords国際研究者交流 / タイ:ミャンマー / タイ系民族 / シャン / 文字文化 / 文化人類学
Research Abstract

本研究は、東南アジア大陸部のミャンマー、タイ、中国西南部に分布するシャン民族の文字文化の継承と現代的な展開を、主にタイとミャンマーの間で比較研究することを目的としている。このような全体の研究計画の中で、今年度は、現代のタイ国北部の国境地域におけるシャンの伝統的な在家知識人の活動について調査を行った。
タイ系民族の上座仏教徒であるシャンは、タイ国内においては比較的タイ国家に「同化」した少数民族、「タイ国民」化した少数民族とされる。しかし、タイ国北部のシャンの人々の間には、手書きの写本から、印刷所で製本されて出版されたもの、コンピュータを使用してプリンターで打ち出したパンフレットやチラシ状のものまで、シャン文字で書かれた様々な文書が流通している。これらのシャン文字文書の中でも、特に仏教儀礼において使用される伝統的な仏教書の写本の朗誦や書写によって文字文化継承に重要な役割を果たしているのが、チャレーとよばれる高いシャン文字運用能力を有した在家知識人である。
タイ国北部の国境地域におけるシャンの伝統的な知識人の活動についての調査によって以下の二点を明らかにすることができた。第一点目は、タイ国北部のシャン文字の知識は、近代的な国境成立以降も続くシャン州とタイ国北部の人の移動のなかで生じる在家知識人の移住や写本の移動によって、タイ国内に持ち込まれていること。第二点目は、このようにシャン州から流入してくる在家知識人がタイ国北部の国境地域でシャン文字文化の担い手として中心的に活動し、タイ国内生まれのシャン人の文字文化継承を支援していることである。
国家の教育制度等に依存しない、東南アジア大陸部の国境を越えた民族文字知識の継承の実態を、タイ北部のシャンの事例を元に明らかにすることができた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] タイ北部におけるシャン系移住者の過去と現状2009

    • Author(s)
      村上忠良
    • Organizer
      日本タイ学会第11回研究大会
    • Place of Presentation
      京都大学 (京都府)
    • Year and Date
      2009-07-04

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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