2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520704
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
辻 雄二 University of the Ryukyus, 教育学部, 教授 (20272122)
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Keywords | 民俗学 / 供犠儀礼 |
Research Abstract |
平成19年度は、これまで継続的に実地調査をおこなってきた糸満市喜屋武、知念村志喜屋、うるま市与那城屋慶名、名護市屋部において、民俗誌的記述の完成を目指した調査研究をおこなった。またこれまでの予備的調査の結果を受け、宮古地域の伊良部島佐良浜と八重山地域の石垣市川平のインテンシィブ調査をおこなった。いずれも動物供犠一連の祭祀儀礼を中心とした調査を、伊良部島佐良浜では旧暦2月初旬、石垣市川平では旧暦11月におこなわれる祭祀前後に1週間程度の実地調査をおこなった。それぞれ10日間の予備的調査と補足的調査を予定していたが、天候等の影響もあり十分な成果が挙げられたとは言い難く、次年度に課題を残す結果となった。同時に、この調査機会を有効に利用し、周辺地域の予備的調査もおこなう予定であったが、これも次年度の課題となった。 実地調査は、原則として聞き書きとしたが、祭祀儀礼一連の調査においては映像資料化を図ることを目的とし、デジタルビデオカメラを用いた。尚、撮影に関しては複数の場において同時進行的におこなわれる祭祀儀礼を観察調査しながらの録画となるため、映像資料作成の経験を有する者に研究補助を依頼し、作業分担を図る中でおこなったが、2名での分担では目的としていた多角的な視点での調査とはならず、今後の課題となった。 また、これまでの調査結果から、沖縄本島で境界祭祀儀礼において動物供犠をともなうことが報告されている46地域については、データー入力をおこないながら、出来る限り正確精確な情報を得るために再調査をおこなった。中でも戦中戦後において消滅に至った祭祀が、近年儀礼をともなって復活する傾向にあり、既に幾つかの地域では調査報告もなされているが、特にこの点に注目した調査をおこなった。 以上、平成19年度は、沖縄本島地域の調査と宮古・八重山地域の調査をおこない、精確な研究データの集積を図ることができたが、同時に新たな課題が生まれた。
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Research Products
(1 results)