Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内堀 基光 放送大学, 教養学部, 教授 (30126726)
黒田 末寿 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80153419)
北村 光二 岡山大学, 人文社会科学研究科, 教授 (20161490)
山極 寿一 京都大学, 理学研究科, 教授 (60166600)
早木 仁成 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (60228559)
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Research Abstract |
本研究は,霊長類社会と人類社会の基盤を問い直し,その上で両者の社会進化論的接続関係を明らかにするため,3つの課題([1]「資源および互酬システムの進化の究明」,[2]「コミュニケーションおよび相互行為システムの進化の究明」,[3]「共同性と規則・制度の進化の究明」)を設定し,霊長類学と生態人類学,文化人類学の綿密な共同作業を展開し,霊長類から人への社会進化の総合的な展望を開くものである。平成19年度には合計4回の共同研究会を開催した。それぞれの会におけるテーマならびに主たる話題提供者とそのタイトルは以下の通りである。第1回(2007年6月9日):寺嶋・早木「キーノートスピーチとオリエンテーション」,第2回(2007年7月28〜29日):(課題1)黒田「自然制度という矛盾の中へ」,寺嶋「社会進化の微分と積分」,小松「人間の食の過剰性」,内堀「社会集団はいかなる意味で進化するか」,第3回(2008年2月2〜3日):(課題2)早木「チンパンジーのコミュニケーション」,中村「接触という相互行為」,木村「人類の音声的相互行為」,山極「暴力の起源をめぐる問題系」,第4回(2008年3月17〜18日):(課題3)北村「チンパンジーの食物分配」,河合「牧畜民における集団と集団性」,川村「サルと伊谷とエヴァンゲリオン」。これらの話題提供を受けてさまざまな角度からディスカッションを重ねた。19年度はまず,すべての参加者が上記の3つの課題すべてに関して,自己の専門研究分野におけるフィールドワークのデータを定位し,議論の輪郭と深度を探求した。その結果をもとに各自,基本的部分の整理と分析をおこない,20年度における発展と統合をめざす。
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