2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神保 文夫 Nagoya University, 大学院・法学研究科, 教授 (20162828)
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Keywords | 近世法 / 法曹 / 法実務 / 評定所 / 留役 / 敵討 / 妻敵討 / 大坂町奉行所 |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、主として東京・京都の図書館・史料館等に架蔵される未公刊の法制史料を調査するとともに、古書店等を通じて史料・文献類を購入し、江戸時代幕藩の法実務を担った法曹的吏員の制度とその活動実態を窺うべき史料の蒐集を時間の許す限り継続する一方、最終年度であるので、これまでの蒐集史料を整理しつつ、研究のまとめを行った。採訪調査により新たに蒐集することができた史料は、筆写によるもの(釈文のほか史料の覚書を含む)が400字詰原稿用紙330枚余、マイクロフィルム(写真撮影を含む)からの引伸し印画が約1550枚にのぼるが、内容的には今年度も江戸幕府法、とくに評定所留役に関するものが中心で、藩法史料については金沢藩関係の若干のものを追加的に蒐集するに止まった。これらに基づく主な成果として、(1)江戸幕府の金銀出入において切余弁済制が法曹法的に形成される経緯の一端を具体的に示す新史料を見出した。(2)敵討・妻敵討の手続及び法思想の変化について検討し、講演「江戸時代の法と文学-敵討・妻敵討の虚構と現実-」(平成21年6月27日、於豊田加茂医師会館)でその要旨を述べた。(3)公事方御定書による幕府法の統一志向、上方支配機構における所司代と大坂城代、京都・大坂両町奉行の役割の不均衡等について、小倉宗氏の論文に対する書評の形で述べた。
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Research Products
(1 results)