2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530013
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
耳野 健二 Kyoto Sangyo University, 法学部, 教授 (60271128)
|
Keywords | サヴィニー / 体系 / 現代ローマ法体系 / 遺稿 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、サヴィニーの『現代ローマ法体系』に関する遺稿を翻刻・編集することを目的とする。当初の計画では平成19年度中に日本側で下原稿の完成につとめ、平成20度からドイツ側での校正作業を行う予定であった。 しかしながら、対象となる手書きの草稿類は、原則として清書されたものではなく、訂正や挿入が繰り返され判読の困難な箇所が多数ある。また全体の分量が膨大なこともあり、本研究は多くの時間と労力を要する。そこで、研究作業全体の基本的な枠組みを早めに確立し、効率的な作業が可能となるように、当初の計画を前倒しし、平成19年度よりドイツ側による校正作業を少しずつ開始することとした。 平成19年度は、日本側が同11月までかけて下原稿(A4で298頁)の作成と校正をおこない、正確さを高めたのち、それをドイツ側に送付した。そのうえで、まず最初の60頁につきリュッケルト教授が自ら校正をおこなった(当初はすべての原稿の校正をドイツ側の大学院生等のアシスタントが行う予定だった)。 この60頁のうち、前半の34頁相当部分は、きわめて研究上の価値が大きいにもかかわらず、判読の困難な箇所が頻出し、日本側では完全に解読することが困難な箇所であった。またそれに次ぐ26頁分も、判読は比較的容易であるが、研究上の意義はやはり大きい。これら重要な箇所についてリュッケルト教授が直接校正作業に当たったことによって、多くの判読困難な箇所が解明された。同時にこの作業を通じてリュッケルト教授自身がその研究手法を日本側に開示したことから、今後の作業にとって基本的な枠組みと基準が明確になり、よりスムーズに研究を遂行するための環境が整えられた。
|