2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530026
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山崎 広道 Kumamoto University, 法学部, 教授 (50200655)
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Keywords | 権利救済手続 / 通常の更正の請求 / 税額の過大 / 更正の請求の要件 / 計算誤り / 選訳誤り |
Research Abstract |
1.本研究は、納税者の権利保護や納税者にとっての権利救済手続と位置づけられている更正の請求制度について、当該制度の本来の趣旨及び目的を究明するとともにその運用上の問題点を整理し、当該制度が適正かつ公正に運用され、真に納税者権利救済手続として位置づけられる方策を提示することを目的としている 2.平成19年度における研究実績 (1)更正の請求制度の導入から現行制度に至るまでの経緯に関する資料を収集した。 (2)当初個別租税法律によって定められていた更正の請求手続がどのような理由によって昭和37年国税法律通則法の制定の際に同法ら規定されるに至ったかの経緯を調査するとともに、更正の請求の期間制限の延長及び「後発的理由による更正の請求」の導入等、当該制度の適用範囲の拡大が行われてきたことが明らかとなった。 (3)国税通則法に規定されることになった趣旨及び目的を明らかにし、更正の請求制度の根源的存在理由を分析した。 (4)「通常の更正の請求」の適用に関して現在も大きな影響を及ぼしていると思われる最高裁昭和62年11月10日判決を取り上げ、第一審、第二審において異なる判断が示されたことから、各審級における判断理由について分析検討を加えた。 3.平成19年度は、上記のような研究活動の結果、導入当初は税額が過大であること発見した場合に、納税者自らその是正を求めることができる制度として発足した更正の請求制度が、その後適用範囲を拡大しているにもかかわらず、現在においては当該制度の運用を狭める傾向にあることが明らかとなり、本来の制度の趣旨及び目的に適っていない運用がなされているという問題点が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)