2007 Fiscal Year Annual Research Report
外国人および民族的少数者の人権をめぐる憲法解釈の比較研究-多文化共生法学の開拓線
Project/Area Number |
19530032
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
近藤 敦 Meijo University, 法学部, 教授 (30215446)
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Keywords | 多文化共生 / 外国人 / 民族的少数者 / 人権 / 人種差別禁止 |
Research Abstract |
初年度は、国籍差別の審査基準と比べて、民族(人種)差別の審査基準がどのように扱われているのかについて、比較検討する予定であった。この点、論文「外国人法制の変容と『マイノリティの人権』論」で若干の研究を進めたが、諸外国の比較研究は、主として著書"Migration and Globalization"や『在留特別許可と日本の移民政策』にみられる移民政策の今日的課題の分析が中心となった。前著は、国際的な移民政策研究の、後著は、国内の移民政策研究の基本書として、重要な意義を有するものと思われる。また、論文"The Legal Position of Migrants in Japan"は、以前のオランダでの比較法国際会議での報告書を公刊したものであり、その後の変化も含むSummaryも公刊した。他方、論文「多文化共生政策における社会参画の指標」など、最終年度に検討する課題にも、すでに初年度から取組みはじめている。したがって、「多文化共生法学の新地平を切り開くべく、比較憲法解釈の基礎研究と具体的な法制度の制度設計を検討する」という研究目的に照らして、着実な研究の進捗がみられるが、研究実施計画の年度ごとの課題は、4年間のトータルで研究するように、適宜、見直しながら、柔軟な形で進めていくことが適当と思われる。とりわけ、今年の5月に多様な研究者や実務家から構成される移民政策学会を創設し、記念講演の報告を担当する必要があり、日本の多文化共生法制の進展のためにも、最終年度に予定していた基本法制の研究にも少し早めに取り組むことが必要と判断した。
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