2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530039
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
桐山 孝信 Osaka City University, 大学院・法学研究科, 教授 (30214919)
|
Keywords | 国際法 / 民主主義 / ガバナンス |
Research Abstract |
本年度は、研究課題に関する研究の第一年目であったが、資料収集のかたわら、本研究科題に関する研究の機会を与えられることになった。平成19年10月6日の国際法学会秋季大会において、「国際法秩序における民主主義の機能-規範と主体の意味の変容に関連して」というテーマで報告した。国内法秩序においてこそ、民主主義は「ガバナンス」の基本原則として機能しているが、国際法秩序においては、どのように登場し、現在どのようなものとして機能しているかを検討したものである。この報告では、国家間秩序を規制するものとしての第一世代の民主主義論、国内の民主主義を国際的に擁護するものとしての第二世代の民主主義論、それら二つを統合し、国家間の連帯に基く国内の民主化の実現を推進するものとしての第三世代の民主主義論について問題提出した。 こうした問題提起を、それにとどめずに実証的に検討することが今後の課題である。そのために、「ガバナンス」規制が重要な課題となっているアフリカ大陸における現状を把握するために、平成19年12月に、エチオピア・アジスアベバにある安全保障研究所並びにAU本部に赴き、アフリカにおける安全保障の考え方について、現地の研究者、AU平和安全保障局および政務局の担当官と面談する機会を得た。その折に強く印象づけられたのが、'non-indifference'というコンセプトであった。この概念は、伝統的な不干渉原則を発展的に克服するものともみられ、その意味で、国際法における「ガバナンス」の規制の中心的概念ともみられものであり、今後の研究を深めるたせに非常に重要なヒントを得た。
|
Research Products
(2 results)