2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530044
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江口 隆裕 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (10232943)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 啓一郎 駒澤大学, 法学部, 准教授 (40348892)
清水 泰幸 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (90432153)
|
Keywords | 社会法学 / 社会保障法 / 少子化対策 / フランス |
Research Abstract |
平成19年度は、フランスの社会保障各制度における少子化対策の具体的施策を明らかにすることを目的に、パリでの現地調査を中心とした研究を行った。具体的には、11月に研究者3名が共同で健康・社会連帯省(ministere de la Sante et et des solidarites)及びパリ市を訪れ、少子化対策の沿革、施策内容等に関する詳細かつ膨大な資料を収集したほか、少子化対策に関連する施策を調査するため、全国医療保険金庫(Caisse Nationale d'Assurance Maladie)、年金研究所(Observatoire des Retraites)、全国自律連帯金庫(Caisse Nationale de solidalite pourl'aotonomie)を訪問してヒアリングを行った。また、パリ大学の著名な社会保障法学者とも少子化問題に関する意見交換を行った。これらの調査結果の一部は、研究代表者が編集幹事を務めた「海外社会保障研究」の「フランス社会保障制度の現状と課題」に掲載された清水論文「フランスにおける家族政策」及び原田論文「フランスの高齢者介護制度の展開と課題」に生かされている。ちなみに、少子化対策という観点からは、幼児を抱える家族の親が要介護状態になったときにどのような社会的支援が用意されているのかも重要な要素になると考えられる。また、研究代表者の単著『変貌する世界と日本の年金-年金の基本原理から』第II部第1章「フランスの年金改革-社会保険方式の下での多様性と連帯」(pp65-110)においても、調査結果の一部が生かされている。 これらの成果は、19年度の調査結果の一部であり、平成20年度に再度フランスを訪問して、不足する文献等を収集するとともに、少子化対策に関するインタビューを行うなどにより、フランスにおける少子化対策法制の全体像とその基本にあるものを明らかにしたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)