2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530056
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宇藤 崇 Kobe University, 法学研究科, 教授 (30252943)
|
Keywords | 準抗告 / 権利救済 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は,捜査段階で生じうる処分対象者に対する不当な権利の侵害・制約につき,対象者にとってより直接的かつ適切であり,また刑事司法全体の運営の中で効率的かつより負荷の小さい権利救済手続を構想する上で,不可欠な理論的基盤を獲得することにある.現行準抗告制度をはじめ,直接的な権利救済に資する制度は存在するが,それらは必ずしも救済制度を主目的としてこなかったこと,その一方で行政事件訴訟法,行政手続法といった隣接制度の発展に比して旧来のままになっていること等に鑑み,前述の研究は重要なものと考える. 2.今期は本研究の第一段階として,わが国における準抗告を中心とした現行の権利救済制度の運用・解釈についての理論的検討を中心として研究を遂行した.その際,刑事訴訟法上の基本原理・原則との整合的理解を目指して,次のような作業を経て,現行権利救済制度を解釈論的に分析・検討することを目指した.(1)勾留等に関する裁判の準抗告についての裁判例の分析・理論的問題点の抽出,(2)押収等に関する裁判の準抗告についての裁判例の分析・理論的問題点の抽出,(3)わが国における解釈論的な問題解決のための検討作業.現段階までの成果を公表するになお及んではいないが,来年度以降の作業を進めるにあたり手がかりを得ることができた.
|
Research Products
(1 results)